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円安が原因でfxのロスカット爆死報告多数!2024年の悲劇を解説

円安と円高アイキャッチ

2024年4月26日、34年ぶりの円安を記録したドル円は158円を超えています。

この異常な円安事態にトレーダーたちの爆死が多数報告されています。

この記事ではトレーダーたちの爆死報告と、何故このような事態が起きたのか、時系列順に解説していきます。

2024年7月~8月の円高についてはこちらの記事を参考にしてください。

目次

fxのロスカットで爆死報告が悲惨

2024年4月26日。
この日は日銀による金融政策決定会合が行われ、植田総裁の記者会見がありました。

会見後、大幅に円安が進み、ドル円は158円を超えて市場を終えています。
1日で3円の上昇となっています。

ポンド円やユーロ円なども同様に3円以上の円安が進みました。

ツイッターのトレンドに「ロスカット」が挙がるほどの出来事です。

ロスカットの嵐はとてつもなく、上記は爆死報告のほんの一部です。

ここまで大きく円安が進み、トレーダーたちが損失を出したのには理由があります。

日銀の為替介入を期待したトレーダーたち

2022年に大きく円安に振れていた頃、日銀によって年に3回の為替介入を実施しています。

一度目は9月22日に、2回目3回目はは10月21日と10月24日に為替介入をしています。

「アメリカの長期金利が低下する」「利下げが期待される」などの外部的要因もありますが、この年ドル円レート151.93から130円まで相場を反転させることに成功しています。

このことを知っているトレーダーたちは、今回の円安も同じように介入がくると期待します。
多くのトレーダーが、ドル円やクロス円などの通貨で円買いポジションを保有するトレードを仕掛けました。

介入で下がったところで買い戻すという差益を狙ったトレードです。

しかしながらドル円は日銀会見時には155円を超え、会見後も円安に進み続け、朝方158円を超えるも一向に為替介入は実施されません。

ロスカットの嵐になった理由

この日、各証券会社のポジション比率でも、ドル円やクロス円のショート比率(円買いポジション)は70%近くまで膨れ上がっていました。

為替介入が来ないまま円安に進み続けるので、口座が耐えきれなくなりロスカットされ、さらに円安が進むというストップロスの動きが頻繁に見られています。

大勢の方がロスカットの目に合い、ツイッターでトレンドに上がるほどの異常事態となってしまったのです。

為替介入を期待した理由

2022年の頃、神田財務官が報道陣に円安を牽制する発言を度々していました。

トレーダーたちは神田財務官の発言の変化を、為替介入のタイムリミットとして目安にしていたのです。

2022年の神田財務官の円安牽制発言
  • 為替相場は安定的に推移するのが望ましい

  • 市場動向を注視している

  • 警戒感を持って市場動向を注視している

  • 為替の行き過ぎた変動は日本経済にとって好ましくない

  • 現在の相場はファンダメンタルを反映していない

  • 相場は急速で一方的、過度な変動は望ましくない
    (過度という言葉が使われ始める)

  • 過度な変動があった場合、適切な措置を取る
    あらゆる手段を排除することなく、適切な対応を取る

  • スタンバイな状態
    あらゆる手段を排除せずに、適切な手段を取る用意はできている

この時は⑧の後、介入に踏み切っています。

2024年3月から、同じように神田財務官の口先による円安牽制が行われ、4月25日には「スタンバイ」と発言がありました。

しかし翌日4月26日に為替介入はなく、1日で3円の円安となったのです。

何故円安に?2024年前半が円安になった4つの理由

世界的株高と新nisa始動

2024年前半は新nisaがスタートし、世界的に株高になっていたことを念頭に置きましょう。

世界的に株が買われるということは、円キャリートレードも活発になるということです。
円キャリートレードは基本的に円安に進む傾向です。

特に月末から月初は株高になりやすく、円安も進みやすいです。
現に2024年1月、2月、4月の月初は大きく円安が進んでいます。

月初の株高については以下の記事を参照。

日本とアメリカの金利差

主要国の場合、通常は金利の低い国の通貨が売られ、金利の高い通貨が買われます

2024年現在日本の金利は低く、アメリカの金利は高いです。

2021年にドル円が110円のレートの頃、「これからアメリカは利上げしていく」との観測から緩やかに上昇し始めます。

実際の利上げ開始は2022年3月でしたが、その頃にはドル円レートは123円と相場に大分織り込まれていました。

しかしながら日本のマイナス金利政策に対して、アメリカは利上げを継続していく見通しだったことから金利差は広がり続け、2022年には152円近くまでドル高円売りが進みます。

2024年3月19日にマイナス金利を解除し、0.1%の利上げを開始します。
しかし0.1%程度の利上げでは日米金利差は大して変わらず、円安が継続しています。

市場は継続的な利上げを期待しているので、利上げペースが遅ければ円高になりづらいです。

円安を食い止めていたのはアメリカの利下げ観測

2023年末にアメリカの経済指標の結果を受けて、利上げ終了&2024年の利下げが観測されるとドル安円高に振れています。

ですがアメリカの経済は依然として強く、FRBが掲げるインフレ率2%は遠く、市場の利下げへの期待は薄れていきました。

ドル円のレートは再び150円を超えてきます。

そして、アメリカの利下げへの期待感がさらに薄れる出来事が起きます。

イランとイスラエルの戦争

3月のイランとイスラエルの戦争です。
戦争時はドル高+円高+原油高になります。

一時的にドル高より円高のが強くなったとしても、日米の金利差があるのでドル円は下落すれば買われる相場です。

そして原油高はアメリカの目標インフレ率達成に悪影響を与えます。
つまりアメリカは利上げしたまま、日米の金利差は開いたままの状態が当分続くということです。

少なくとも市場にはそう判断されているため、ドル円レート158円まで円安が進みました。

その他の円安の原因

日米の金利差があるとは言え、ここまで急速な円安になったのはヘッジファンドによる投機的な円売りが濃厚でしょう。

歴史的にも1日で3円円安になったことは数回しかありません。

4月26日の会見で、日銀植田総裁が円安容認するような発言をしてしまったことも、投機的な円売りを呼び込む原因の1つとなってしまっています。

2024年の円安でロスカット続出した流れを時系列で解説

STEP
1月2日

140円からスタートし、初日で142円に。

STEP
1月だけで148円まで上昇

世界全体での株高や、始まったばかりの新nisaへの資金流入により、円キャリートレードの増加が円安の一因とされています。

STEP
2月13日

4か月ぶりに150円を突破する。

STEP
2月中旬~3月頭

150円付近の高値でレンジになる。

STEP
3月頭~中旬

一時的に146円台まで下落するも、再び150円を突破。

STEP
3月20日

151円到達。
この頃から神田財務官による円安牽制発言が報道され始める。

STEP
3月下旬~4月頭

介入警戒感もあり、半月以上高値付近でレンジになる。

STEP
4月10日

153円を突破する。
神田財務官の円安牽制も強くなってくる。

STEP
4月15日

154円突破。
度重なる円安牽制発言も飲み込み、下がれば買われる相場になっていく。

STEP
4月24日

155円に乗る。
多くのトレーダーやアナリストは155円で介入が来ると見ていましたが、介入はなし。

STEP
4月25日

神田財務官による「スタンバイ」発言。
発言後も為替相場は変わらず。

STEP
4月26日

日銀の金融政策決定会合が行われる。
金利の引き上げがなかったことから、さらに円安が進み156円へ。

STEP
4月26日15時半植田総裁会見

円安は基調的物価に大きな影響を与えていない」と、植田総裁が円安容認発言。

ドル円は会見後156円後半に。

STEP
4月26日17時

1分で3円の下落。
ついに為替介入が来た!と思ったら介入ではなく、大口投資機関の利益確定の動きと言われています。

STEP
4月26日18時

介入もなく、政府高官による円安牽制発言もなく156円に戻る。

STEP
4月26日23時

アメリカの経済指標PCEの結果を受けて、市場はドル高に。
ドル円は157円を突破。

STEP
4月27日早朝

朝5時台に大量のロスカットを巻き込み、一気に158円台に到達。

STEP
4月29日10時35分

週を跨いで157円台からスタート。
徐々に円安が進み、再び大量のロスカットを巻き込み、一瞬160円を超える。
20秒で1.5円の上昇幅です。

STEP
4月29日13時5分

為替介入らしき動きを観測。
ドル円は159.50から155円まで下落。
その後157円まで買われる。

神田財務官は為替介入を行ったかどうかの問いに「ノーコメント」

STEP
4月29日16時8分

再び為替介入らしき動きを観測。

157円から154.50まで約30分で下落。

STEP
4月29日23時30分

再度円安が進み156円後半まで戻る。

STEP
4月30日

円安進行。
157.80を超える。
1日で1.8円円安に。

STEP
5月2日5時10分ごろ

再び為替介入らしき動きを観測。

ドル円は157.5から153円まで下落。

その後すぐに戻し155円台に。

STEP
5月2日深夜
ドル円ステルス介入で円高

東京市場で156.2まで戻るも、深夜3時まで円高が続き1日で3円程円高に。

この動きはステルス介入ではないかと、トレーダーたちがSNSで議論しています。

STEP
5月3日

一時的に介入時の底値153円を下回る水準に

STEP
5月3日21時半

アメリカの経済指標雇用統計の悪化で151.80まで円高に。

その後153円付近まで戻して介入相場も一服。

STEP
5月8日

毎日1円ずつ円安に進み、為替介入の効果も薄れドル円は再び155.5円に。

ロスカットに合わないために【まとめ】

神田財務官の「スタンバイ」から介入を期待したトレーダーのポジションを巻き込んで、ドル円クロス円共に1日で3円以上の上昇です。

相場の世界は予想外の出来事が度々起こります。
予想外な出来事が起きてもロスカットされない資金管理が非常に大切です。

ロスカットされなければ何度だって復活できるのですから。

この後円安がさらに続いて相場がクラッシュするのか、為替介入は効果があったのか、随時この記事を更新していきます。


投資暮らし執筆者しゅん

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